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銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第8章 縄秀と看護師

「いや、先生、大丈夫です」と立ち上がろうとしたが、「金沢秀夫」先生の方が早かった。結束バンドを取り出した先生は、それで有田の手首を診察ベッドに括り付けた。

「やばい!」と思った時には、雪乃がワイシャツのボタンを外し、ズボンまで引き下ろしていた。そして、「こっちよ」と処置室から風間看護師が手袋をして待ち構えている。

診察ベッドに仰向けに括りつけられた有田は「変なことしないで下さいよ」と懇願したが、そんなことで手を緩める人たちではない。

「有田ちゃん、大丈夫か?」

小鹿はへらへら笑い、金沢医師は「診察だよ」とニヤついている。そこにパンツをむしり取った風間看護師は大きな注射器を取り出した。

「え、それは…」

有田はやられたと思った。肩を押さえつける金沢医師、足元に回った小鹿と雪乃はそれぞれ片脚を掴んで持ち上げる。全員が笑っている中、「はいはい、浣腸しまっしゅよー」と風間看護師が赤ちゃん言葉で注射器のノズルが肛門に挿し込んできた。

「や、やめてくれ!」

有田はお尻を捩ったが、手慣れた看護師にはかなわない。冷たい液体が体に入ってくる。

「ひ、酷でえな」

有田はぼやいていたが、小鹿、雪乃、そして金沢医師はニヤニヤ、風間看護師は「我慢ちてねー」と笑っている。
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