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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第25章 今はまだ『役』でもいい
「これから…どうしましょうか?」

「そうだなあ…彩華さえ良ければ、少しだけドライブでもする?」


課長と二人で?
こんな夜にドライブ?


「…いいですよ。」


これ以上嬉しいことはない。


課長の車まで戻り、相変わらずの紳士ぶりを発揮した課長が助手席のドアを開ける。

ドキドキーー…と、緊張しながら車に乗ると運転席に乗った課長が音楽をかける。

私たち共通の好きな音楽は雰囲気バッチリの甘くて切ないバラードで、今更ながら10代の子が歌ってるなんて思えないくらい大人向けの歌詞。
まあ和訳されてるのがそういった解釈なだけかもしれないけど。


休日で私服の課長は着ていたジャケットを後頭部席にポンと投げるように置く。

前の時と違うのはさっきまでなかった眼鏡をかけていること。


「課長って目が悪かったんですか?」

「いや、そこまでじゃないんだけど、夜は見えづらいからね。」

イケメンは何をしたってイケメンで見惚れてしまう。


「彩華も前に眼鏡かけてなかった?」

「私はすごく視力悪いんです。普段はコンタクトなので。」

「元々綺麗な子が眼鏡かけるとドキっとするよね。」

綺麗な子ってーー!!
そんな風に思ってくれてるの?

ヤバい。めちゃくちゃ嬉しい。
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