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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第29章 チート系ヒロインは3次元にて恋をする
「資料室行ってくるね。」


金井さんたちは安岡くんを話題にした話で盛り上がってる。
まあ仕事してくれてるなら、何も言わないけど…月曜って忙しい割には休日の話で盛り上がる。
今までそんな会話に入ることなかったのに……。


資料室で探し物をしていると、僅かだけど話し声が聞こえてきた。




「本当に助かった。悪かったな。」

聞き覚えのある低めの声…好きな声。

「私もたまたま知っただけだし。気にしないでいいよ。それより休みの日にごめんね。」



課長と浅倉主任…だよね?
昨日、トラブルで出勤したのって浅倉主任もいたってこと?


「それは…仕事だし、仕方ない。」

「康之の、」


浅倉主任がその先何を言ったかは資料室を静かに後にした私にはわからない。

康之…課長と浅倉主任ってそんなに仲良かったのか。
練習で私に名前を呼ばせたのは…浅倉主任がそうやって呼ぶから?



「佐倉?どうした?」

資料室からオフィスに戻るまでの通路の壁に寄りかかるようにしてしゃがみこんでいた私を心配そうに見下ろす安岡くん。

「…ごめん。何でもない。」

立ち上がって戻ろうとした私の腕を掴むから、それ以上前に進むことができない。
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