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第34章 ほろ酔いと本音

「佐倉、お前弱いのにそんな飲み方するから……一旦外で酔い覚ましてこいよ」

「そうだね。せっかく明日は休みなんだから、少ししたら戻っておいで」

安岡くんと浅倉主任に勧められて私は外で酔いを覚ますことにした。

子供みたいに煽って泣きそうになって……何やってんだろ。





♢♢♢♢♢♢♢

「佐倉さん、大丈夫かな」

佐々木が入り口を心配そうに見ながら言う。

「普段の仕事にプロジェクトに後輩指導とかあって疲れてるのかもね。あの子、仕事はキッチリこなすけど、息抜きとかうまくできなそうだし」

「高校のときからずっとあんな感じで部活中も頼られるから断らなくて、アイツの愚痴とか文句とか感情的になるところを見たことなかったけど、あんな風に言うこともあるんだな」

「部下の不調は上司にも多少は責任あると思うよ。というわけで、稲葉！ 今から佐倉さんのところに行って来なさい」

「……わかったよ」

稲葉はほんの少し動揺しながらも外へ向かった。


「浅倉主任、何で課長を行かせたんですか」

安岡がシュンとしながら聞いた。

「んー？ だって、あの二人……見てて焦ったすぎ」

「あ、やっぱり。稲葉課長は佐倉さんのことを」

佐々木は納得したように頷くが、安岡は大きなため息をついてビールを一気飲みした。