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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第36章 予定より早いけど
外で話しすぎたから一度中へ戻る。

いい歳をして、僅かに胸がドキドキしながら、元いた席まで戻り、俺は二人分の荷物を持った。


「悪い。佐倉が体調良くないらしいから、帰るわ」

なるべく平静を装って言うが、動揺を隠せてるかどうか不安になる。
特に浅倉は怖いくらい鋭い。

「へー? それは心配だね? 明日は休みだし、ゆっくり休ませてやれよ」

ほら、もうすでに顔が笑ってる。
余計なことを言われる前にここはさっさと退散だ。





「お待たせ」

ベンチに座るその人へ声をかければ、まだ泣いた跡の残る赤い顔で照れたように見てくる。
ヤバい……いつも以上に可愛く見える。
元々綺麗な子だけど、仕草とかは可愛い。

「行こうか」

「……はい」

立ち上がった彩華に荷物を渡す。
会社の駐車場に向かって並んで歩く。

急遽決めた飲み会だったから、もちろん車で来てたし、飲んではいない。

「……手繋ぐ? 」

可愛い反応が見たくてわざと聞くと案の定、びっくりしたように見上げるから、それだけで本当色々とヤバい。

「可愛すぎ」

彩華の荷物を持っていない方の手を握った。




こうなった経緯は数分前のことーー。
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