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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第40章 下心だけがあるわけじゃない
「俺、彩華が思ってる以上に好きだからね。そーいうこと言われたら抑え、効かなくなる……」

熱っぽい視線を向けられーー緊張する。

横目に信号が変わったことに気付くと握った手はそのまま指を絡ませる繋ぎ方に変わり、片手でハンドルを握る。

「本当のこと言うと、俺はプロジェクトが落ち着いてから彩華に告白しようと思ってたんだ。それでも一緒にいたいって思ったから彼女役なんて意味不明なお願いをした。だけど、酔った勢いにしてもあんなにわかりやすく嫉妬されちゃ、もう我慢なんてできなかった」

そうだったんだーー。
康之さんはずっと私を見ててくれたのか。

「……本当に色々すみません。自分が嫉妬深いとかも初めて知って」

「俺も。彩華が安岡と仲良いだけで、嫉妬しまくってた」

チラっと私を見る康之さんは言葉の割には優しく微笑むから、胸がぎゅっと痛くなる。
でもそれは不思議と心地よい痛み。




「あのさ、もし良ければこれから飲み直す? 」

車は高級そうなマンションの近くに停まっている。
どこ、ここ……。

「それは大丈夫ですけど……」

「……俺は彩華を家まで送れなくなるけど、それでも大丈夫? 」

「大丈夫です……電車が」

「ここからだと駅まで歩かなきゃならない。そもそも電車で帰す予定はないんだけど」

どういう意味?
もしかして……ある考えが過ったと同時に康之さんが言う。

「俺ん家に泊まることになっても平気? ってこと」
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