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第41章 酔った彼女に手を出す趣味はない

課長のーー。
康之さんのーー。
付き合い始めた恋人の家に泊まるーー。


脳内では康之さんの言葉が頭の中をグルグル回っている。


「あ、あのッ！ そ、それって……」

自分でもわかるくらい動揺してる。
彼氏の家に泊まることだって初めてなわけじゃない。
もちろん……そういった恋人同士での行為とかも。

「飲みに行くのはここから歩いて行けるところにあるんだけど、多分行けば、俺は彩華を帰せなくなるよ。長く一緒にいたいし」

私だって長く一緒にいたいし、もうすでに帰りたくない。
でも、付き合って初日にお泊りって……！ ！！

「大丈夫。酔った勢いで、とかはしないから」

私が動揺してるのをわかってて、わざと耳元で内緒話をするように小声でいつもより低めの声で言うから、バクバクと心臓が異常な速さで鼓動を打つ。

「……前科あるの、覚えてますか」

そう言えば苦笑いをする。

「彩華があまりにも可愛すぎたらわかんないけど、本当に酔った勢いで襲う趣味はないからね」

と冗談交じりに言う康之さんを軽く睨んでから「飲みに行きます」と返事をした。