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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第41章 酔った彼女に手を出す趣味はない
「お待たせ」

戻ってきた康之さんと一緒に店の出口へ向かう。
途中、大塚さんが来て、小声で他のお客さんに聞こえないように言った。

「また来てね。二人で仲良く。なんなら、良い報告も待ってるから」

良い報告って何だろうって思ってたけど、康之さんが「余計なことを」って呟いていた。


店を出ると少し肌寒くなってきたのが酔いを覚ますのにちょうど良いって感じる。

「彰が色々とごめん。アイツ今が幸せなときらしくて浮かれてるんだよ」

「幸せ?」

「もうすぐ結婚するからね。彰と優梨奈」

そうだったのか。
良い報告の意味が何となくわかってしまい、酔ってるせいでもあるけど、身体が熱くなる。
康之さんも……年齢から考えて意識はしてるのかな。
私だって、したいとは思うけど……。

「彩華が今、何を考えてるか当てようか? 」

繋いでる手を僅かに自分の方へ引き寄せながら言う。

「い、いや……たぶん、わからないと思います! 」

「そう? 俺は当たってる予感しかしないけど……まあ、今はまだ言わないでおこうかな」

楽しそうに笑ってる……。
本当にわかってるのかな。

「俺も彩華が考えたことと同じようなことは考えてるから」

そう言われ、顔も身体も熱くなったのが、夜遅くても明るい都心の街並みでは隠せない。
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