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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第41章 酔った彼女に手を出す趣味はない
きょうこ……さん?

「あの……」

「ごめん。彰が余計なこと言って……杏子っていうのは5年前に別れてる俺の元カノ。そのすぐ後に彩華たちが入社してきて、俺は主任になったばかりだったから、新入社員には特に目をかけてたんだ。中でも仕事を覚えるのが断トツ早かった彩華のことは結構気になる存在だったよ」


当初は見た目だけでも好きなタイプでと照れたように口元を手で押さえながら言う。
気になる存在がどの程度だったかはわからないけどそんな風に思ってもらえてたのが、彼女として、職場の後輩として嬉しい。

「大塚さんは同級生とかなんですか? 」

「中学と高校の同級生。で、優梨奈と付き合ってる」

優梨奈って誰だっけ……と思ってたら康之さんが付け加えてくれた。

「前にイタリアンの店で会った子だけど、覚えてる?」

「あ、思い出しました! この辺りに知り合いが多いんですね」

「まあ、地元が世田谷だからね」

「そうなんですね」



そんな他愛ない話をしながら、勧められるままに大塚さんが作ってくれるお酒を何杯か飲んでると、さすがにクラっと酔いが回る。


「彩華、大丈夫?」

「すみません……たぶん、大丈夫です? 」

「何で疑問形? まだ平気なうちに帰ろうか」

そう言われてドキッとする。
待ってて、と会計をしに行った康之さん。
帰る……チラっと腕時計を見れば終電はまだありそうな時間だった。
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