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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第42章 彼シャツとありえない間違い
「お先にありがとうございました……」

なるべく康之さんの方は見ないようにしながら、リビングへ戻ると一瞬目を見開いて驚いた表情の彼と目が合う。

何これ。めちゃくちゃ恥ずかしい……!!

「あー、俺も入ってくるから適当にしてていいから。飲み物も冷蔵庫にあるから飲みたかったら飲んでていいよ」

それだけ言うと慌てるようにリビングから浴室へ行った。

適当にと言われてもこんなときに何をしてたか思い出せない。
違う……思い出せないんじゃなくて、今みたいな経験がない。
だいたいが家に入ると、そーゆう流れに持っていかれて、制服にしろ、私服にしろ、数分後には何も身につけてない状態。

私ってもしかして良い恋愛してこなかった?
思い出すのはソファやベッド、床で受け入れるだけの自分。

いつからーーなんて、それは最初からで、初めて経験した17歳のときも一つ上の先輩は結局、それだけが目的だった。

大学入ってもどちらかと言うと流されての方が多く、他と少し違ったのは最後に付き合った人。
まあその人も卒業と同時に地元に帰って家業を手伝うことになって別れたんだけどね。

ロクな付き合い方してなかったんだな、私。


少しだけ喉が渇いたから、冷蔵庫を開けて、手に取ったものを飲む。

無意識だったから……ありえない間違いに気づいたのは康之さんが戻ってきてからだった。

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