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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第53章 帰省
課長の家に着いてから「明日帰るよ。迎えはいらないから大丈夫」とお母さんのスマホへメッセージを入れておいた。駅から実家までそこそこ距離があるから、いつも誰かが迎えに来てくれるんだけど、今年は課長が送ってくれるというから、それに甘えることにした。

翌日ーー

一度自宅に寄ってもらってから、実家へと向かう。


*************


「すみません、わざわざ遠いのに送ってもらっちゃって」

眼鏡をかけて運転する横顔を見ながら、そう言うと一瞬だけこちらを見た課長が優しく微笑んだ。

「俺がしたいって思ったからね。彩華は素直に甘えておけばいいよ」

「ありがとうごさいます」

「そういえばさ、お兄さんが昔は過保護だって言ってたけど、そんなにすごかったの? 」

「まあ、そうですね。特に小学校から高校までのときが特になんですけど」


兄二人は地元の小中学ではそこそこ有名人だった。私が小学校入学すれば、最高学年の兄たちがほぼ毎日のように揃って教室に現れる。1年生の教室に6年生が来たら、「え? 」ってなる。登下校も一緒だし、その1年間で「佐倉兄妹」はかなりの有名になった。兄たちが卒業しても中学までの通り道にあるからやっぱり登校は一緒。学ランの二人の間にいる小学生なんて目立って仕方ない。
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