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第8章 恋愛に発展するイベント？

カタカタカタと静かなオフィスに響く音。

目の疲労感がハンパなくてかばんに入ってる眼鏡をかけた。
最後の数字を直し、保存する。

「やっと終わった。」

時刻はすでに20時を過ぎていた。


帰り支度をして1階へ降りる。
ロビーを抜け、外に出た。


「お疲れ様。」

「え？ 課長？ どうしたんですか？」

「頑張ってる部下へご褒美……何て言うのは冗談で、夕飯一緒にどうかなと思って。帰りは送るから。」

「私…ですか？」

そう言うと課長は可笑しそうに笑う。

「佐倉さんしかいないでしょ。」

「ではお言葉に甘えて。」


オフィスの入ってるビルの地下駐車場に停めてある車をそのまま置いておき、歩いて駅近くまで行く。

課長と並んで歩くことなんてこの先あまり多くはないと思う。
つい、周りの視線が気になってしまう。
改めてみると本当背が高いし、横顔でもわかるほど整った顔立ち。
それでもって言動も男らしい。
『スーパーダーリン』ね。本当に若い子はよく見てるなあ。