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⊥の世界
第1章 ⊥の世界
私は、すぐ⊥の世界にいく。
↓の世界から抜け出して、⊥の世界へ。
諸々、話したくもない日常から離れて、すぐさまそこに向かう。
『今晩は。』
挨拶を交わせば、すぐにその世界は受け入れてくれる。
「今晩は」
「今日は遅かったね。」
「待たせるんじゃないよ。」
⊥の住人はすぐさま反応を返してくれる。
「さて、今日はどんな話をしようか。」
「M子は恥ずかしがりやだからなぁ。」
「純情ぶってるだけじゃないの?」
「名前どおりMなんだろ?」
住人たちは勝手に盛り上がっていく。
「オイオイ、M子、いるのか?」
『はい、いますよ。』
「いますよ。じゃなくてさぁ、ここは会話しなきゃ始まんないんだし。」
「まあ、M子に任せていたら話始まらないから、じゃあ今日は、初体験の話でもしようよ。」
「まさか、処女とかとぼけるなよ?」
『さすがに処女ではないですよ。』
「じゃあ何人経験あるの?」
『3人です。』
「初めての相手と、旦那と、今の不倫相手?」
『不倫はしてません。』
「不倫はって、結婚しているのは認めたのか?」
「お~い、M子~」
『………』
「まあ、ほら、リアルに繋がる答えたくないことは、ノーコメント認めてるんだし。」
「じゃあさ、初体験って幾つの時?」
『18です。』
「ふうん。まあ普通に彼氏と?」
『…………』
「なんだよ、そこノーコメント?」
「ってことは、彼氏じゃないってことだよね。」
「いきなり行きずり?」
「まさか、近親相姦とか?」
『違います。』
「まあ、相手は言わなくていいよ。」
「で、どうだった?やっぱり最初は痛いだけか。」
無理、、この会話は、無理、、
『すみません、今日はもう退室します。』
「え~、なんだよ。」
「そんなにハードル高い話題じゃないよね。」
住人たちの早いレスが増えないうちに、私は退室ボタンをクリックした。