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⊥の世界
第12章 そして誰も居なくなる?


『私は職場ですね。』

「職場結婚かぁ、まあ、学生もそうだけど、やっぱり元々身近にいる人ってことだよね。」

「まあ、大抵そうじゃないの?」

「例えば、ここみたいな二次元がさ、まずはきっかけになってとかないのかなぁとか?」

「ただいま、ふぅ、やっと帰ってこれたよ。」

「Sさん、とうとう僕ら3人になってしまいましたよ。」

「ところで、S氏は奥さんとの出逢いってどんな感じだったんですか?」

「普通かな、嫁の職場に行く機会があって。」

「同じ職場じゃなくて?」

「ああ、俺は趣味というか、そんな感じで行ったところで嫁が働いてた。」

「なんだろ、それって、夜の店とか風俗とか?」

「そんなんじゃないけど、ノーコメントだな。」

「ああ、M子ちゃん以外のノーコメント発動。」

『でもAさんの参考にはなりませんね。』

「やっぱり二次元スタートって無理ですかねぇ。」

「でも、二次元なんていくらでも取り繕えるわけで。」

『そうでしょうか、人となりってここでもわかるんじゃないですか?』

「それはM子がお人好しで飾らないからだよ。家主上位なんて人気取りの為に何してるかわからないし、写真だって本物かわからない。

そういうものを無しにして話したいってM子は、本気で話そうとするから、ノーコメントになるわけで。だから、M子の家の住人になって良かったと思うよ。」

『あ、ありがとうございます。話し下手ですけれど、確かに嘘はついてないですね。』

「でもS氏ってここ始めて3年って言ってましたよね。Mちゃんの家にくる前だってあったでしょう?」

「まあね、俺は大体新築ばかり入居申し込みしている。」

「そうなんだ、僕は、今1位のお家の空室待ちを1ヶ月位してて、全然無理って気付いて、先月はギリ100位のお家で待ってた。1週間位待って入れたけど、リビングの会話なんて訳わからないし、部屋で話すこともないし、どうしようって思っているうちに、退去命令出された。それを繰り返しても同じことでダメだなって、M子ちゃん家が初めての新築さん。」

「そうか、皆色々だね。俺は写真やアバターで選んでたけど、結構取り壊しで退去が多いかな。」




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