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⊥の世界
第2章 ⊥の世界とは
寂しかった。暇だった。不満があった。
言い訳がましいけれど、
ネットで色々見ているうちに、ここを見つけた。
出会い系とか、色々あるけど、家を持つというゲーム感覚で始めて1週間。
構成からして都合のいい女性を探すための場所で、そういう可能性もあるとわかっていて始めた。
やっぱり1人は寂しかったからだ。
家を持って空室情報がアップされると入居希望者が申込みしてくる。入居を許可すれば住人となる。
ハンネの他、アバターや写真をアップすることも出来るが、私はハンネだけで他を許可していない。
住人に許可すれば、逆に自分もアップしなければならなくなるからだ。
家主は他の家には入れないが、他の家の外観は見れる。
滞在時間や人数などでポイントがつき、それで家をランクアップできる。
スタートは5LDKがマックスだけど、ポイントで部屋数も増やせるので、ランキング上位の家は豪邸やホテル、マンション、お城のようなものばかりだ。
私は1週間で貯まったポイントでソファーをリビングに置いた。
住人にも見えるはずだが、誰もその話はしてこない。
「お~いM子、飯食ったか?ランチタイム終わっちゃうよ。また夜にくるよ。」
今入室しているのは二人だったが、昼休憩が終わったのか1人が退室した。
「M子は、ランチタイムに入ってるんじゃないのか?」
もう1人から書き込みがある。
『え、はい。私は働いてないです。』
「やっぱり主婦なんだ。」
『はい、そうです。』
「M子、家主向いてないんじゃないのか?他の家じゃほとんど写真投稿オッケーにしてるよ。チラ見せとかさ、自慢のパーツ載せたり。」
『ごめんなさい、そうなるのが嫌で写真投稿不可にしてます。自慢のパーツなんてないですし、、』
「まあ皆、M子のそういうところがよくて住人になったんだからいいけどさ。
もうちょっと会話は頑張ろうね。」
『はい。』
「じゃあ、俺も仕事だから。」
『お仕事頑張ってくださいね。』
「おう。」
他に入室者がいないのを確認して退室ボタンをクリックした。