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レディー・マスケティアーズ
第10章 ポルトス&ダルタニァン ――パークサイド・パレス
*
「えっ? ご主人様、この方たちは?」
チェーンが外れると同時に部屋になだれ込んだ木庭茂と浩一を前に、女は悲鳴を上げんばかりだった。
玄関に両手をついてご主人様――汗だくの田野倉――を出迎えたその女は、確かにレース地のエプロンしか身に着けていなかった。
茂も浩一も、女の色っぽさに思わず唾を呑んだ。
ゆさゆさと揺れる乳房は薄いレース地を突き破らんばかりで、大きめの乳首はもろに透けている。太腿の奥にある草むらまで丸見えだ。
「なるほどな。いい毛並みをしているじゃないか」
リビングのソファーに胡坐をかいた茂は、新しいタバコに火を点け、煙を天井に吹き上げた。
「おい、女! おれたちも今すぐにも掛かりたい仕事があって、ここに来た。ただ、そっちも『今すぐしてください』と言わんばかりだ。おれたちの仕事とは違うことをな」
この人たちは誰? 仕事と言っていたけど、何の用があってここに?
男たちに囲まれた彩也子は、すがるような目を田野倉に向けた。
「怖いわ、ご主人様。わたし、わたしどうすればいいんですか」
「いや、心配しなくていい。この方は、おれの会社の専務だ。言うならば、ご主人様のご主人様だ」
「ご主人様のご主人様?」
「そうだ。だから、今日ここにお招きしたんだ。おまえは失礼のないようにしなさい」
そう言えば、どこかで見た気がする。
そうか。怪しい人たちじゃないのね。当たり前だわ。だって、ご主人様は「鬼塚金融」からわたしを守ると約束してくれたんだもの。