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レディー・マスケティアーズ
第10章 ポルトス&ダルタニァン ――パークサイド・パレス
「急いで!」
坂口があわててキーボードを叩き、スクリーンの映像が切り替わった。
「ここだ」
坂上が指差した先で、緑のランプが点滅している。世田谷区成城台南五丁目二十四番地。世田谷にある木庭の自宅だ。
「あの女が相手だとしたら、アラミスが危険よ。わたしが行く! 工藤ちゃんも付き合って! 侵入のプロの腕の見せどころよ」
アトスは、いつの間にか黒のレオタードと網タイツ姿に変身していた。いつの間に着替えたのか、部屋にいる男たちが誰も気づかないほどの早業だった。
これは、わたしの仕事よ。この女は、わたしにしか倒せない。いや。わたしが倒さなくてはならない相手だ。さすがに今回は、肉体労働もやむなしのようね。
*
真っ暗闇の中、部屋中のあらゆる物につまずきながら、浩一と田野倉は寝室のベッドまで辿り着いた。
仰向けになって白目を剥いているのは、確かに山岸彩也子だ。なまめかしい肢体はいつものままだったが、触ると体は氷のように冷たかった。顔も白く凍ったようだ。
「こっ、こっ、この女……」
腰を抜かしそうになりながら、浩一が手首をつかむ。やはり脈はなかった。
「間違いない。死んでいる。死んでいるよ!」
「ねえ、専務。本気で首を絞めたんですか。死体がこんな場所に転がっていたんじゃあ、言い逃れはできませんよ」
田野倉が涙声で言う。
坂口があわててキーボードを叩き、スクリーンの映像が切り替わった。
「ここだ」
坂上が指差した先で、緑のランプが点滅している。世田谷区成城台南五丁目二十四番地。世田谷にある木庭の自宅だ。
「あの女が相手だとしたら、アラミスが危険よ。わたしが行く! 工藤ちゃんも付き合って! 侵入のプロの腕の見せどころよ」
アトスは、いつの間にか黒のレオタードと網タイツ姿に変身していた。いつの間に着替えたのか、部屋にいる男たちが誰も気づかないほどの早業だった。
これは、わたしの仕事よ。この女は、わたしにしか倒せない。いや。わたしが倒さなくてはならない相手だ。さすがに今回は、肉体労働もやむなしのようね。
*
真っ暗闇の中、部屋中のあらゆる物につまずきながら、浩一と田野倉は寝室のベッドまで辿り着いた。
仰向けになって白目を剥いているのは、確かに山岸彩也子だ。なまめかしい肢体はいつものままだったが、触ると体は氷のように冷たかった。顔も白く凍ったようだ。
「こっ、こっ、この女……」
腰を抜かしそうになりながら、浩一が手首をつかむ。やはり脈はなかった。
「間違いない。死んでいる。死んでいるよ!」
「ねえ、専務。本気で首を絞めたんですか。死体がこんな場所に転がっていたんじゃあ、言い逃れはできませんよ」
田野倉が涙声で言う。