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レディー・マスケティアーズ
第12章 ミッション終了 ――横浜 ホテルのスィートルーム
かつてマッカーサーがGHQ司令部に使ったというホテルの窓からは、横浜の海が一望できる。港だけでなく、大桟橋に停泊する客船にも明かりが灯り、きらきらと水面に反射していた。
夜景に値段をつけるなど愚かな話だが、今目の前にある美しさに百万ドルを払ってもいいと思う酔狂な人間がいたとしてもおかしくなかった。
タワー棟最上階のスィートルームには、銃士隊のメンバー全員が勢ぞろいしてした。テーブルには、ルームサービスで運ばれた料理と飲み物が隙間なく並んでいる。
マロンのサラダ、ブリのカルパッチョ、殻つき牡蠣のオーブン焼き、山盛りのキャビア、ランプ牛のソテー、合鴨のスモーク、ミラノ風の薄焼きピッツァ。曇り一つないほどに磨かれた大小さまざまのグラス。ワインだけでも十種類以上が用意され、ウィスキーやビールにも初めて見る銘柄のものがあった。
今日の銃士たちは、思い思いの服装だった。
アトスは黒のパンスーツ。ポルトスは胸の谷間が覗くオフホワイトのワンピース。アラミスは上下ともユニクロらしいトレーナーとスリムパンツ。ダルタニァンはゴーストバスターズのフリントTシャツにダメージジーンズという格好だ。
松永をはじめとする男たちも、普段よりめかし込んできたようだが、いつもと同じにしか見えなかった。
いちばん旺盛な食欲を見せたのはアラミスで、次々に料理を平らげ、白と赤のワイン二本を一人で空けた。最初のうちは「太っちゃうから」と控えめだったポルトスも、運ばれてくる料理の豪華さに、途中からはアラミスに負けないペースでそれを口に運んでいた。アトスは例によってマイペースで、何杯かグラスを空けてはいたが、酔った様子もない。
夜景に値段をつけるなど愚かな話だが、今目の前にある美しさに百万ドルを払ってもいいと思う酔狂な人間がいたとしてもおかしくなかった。
タワー棟最上階のスィートルームには、銃士隊のメンバー全員が勢ぞろいしてした。テーブルには、ルームサービスで運ばれた料理と飲み物が隙間なく並んでいる。
マロンのサラダ、ブリのカルパッチョ、殻つき牡蠣のオーブン焼き、山盛りのキャビア、ランプ牛のソテー、合鴨のスモーク、ミラノ風の薄焼きピッツァ。曇り一つないほどに磨かれた大小さまざまのグラス。ワインだけでも十種類以上が用意され、ウィスキーやビールにも初めて見る銘柄のものがあった。
今日の銃士たちは、思い思いの服装だった。
アトスは黒のパンスーツ。ポルトスは胸の谷間が覗くオフホワイトのワンピース。アラミスは上下ともユニクロらしいトレーナーとスリムパンツ。ダルタニァンはゴーストバスターズのフリントTシャツにダメージジーンズという格好だ。
松永をはじめとする男たちも、普段よりめかし込んできたようだが、いつもと同じにしか見えなかった。
いちばん旺盛な食欲を見せたのはアラミスで、次々に料理を平らげ、白と赤のワイン二本を一人で空けた。最初のうちは「太っちゃうから」と控えめだったポルトスも、運ばれてくる料理の豪華さに、途中からはアラミスに負けないペースでそれを口に運んでいた。アトスは例によってマイペースで、何杯かグラスを空けてはいたが、酔った様子もない。