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レディー・マスケティアーズ
第7章 アラミス ――カフェ・アレクサンドル
「最高得点?」
今度は、浩一が声を上げた。
「はい。試験官からは、何をやらせてもオール満点だったと聞いております。どんな審査をしたかは、この場ではご容赦いただきたいですが、とにかく『特技多数』とだけ申し上げておきます。木庭様にも、きっとご満足いただけるはずです」
特技多数か。この店「カフェ・アレクサンドル」で特技というからには、ただ男の相手ができるなんてレベルじゃない。相当な特技に違いないぞ。
「よし。後で呼んでくれ。こちらも気が滅入っていたところだ。気分転換にちょうどいい」
茂たちがオーナーに命じてから、女ディーラーがテーブルにやってくるまで、ものの十分とかからなかった。
「初めまして。星野菜緒美です」
二人に会釈する菜緒美は、近くで見ると少年のような体つきをしていた。すばしっこく、いかにも運動能力に長けていそうだ。
しかし、ミュージカルのオーディションやスポーツインストラクターの採用試験なら楽にパスしそうだが、この体でこの店の、世に名高い「カフェ・アレクサンドル」のオーディションによく通ったものだ。しかも歴代最高得点とは。
菜緒美はテーブルに座ると、客に媚びるような物言いもないまま、新入りとは思えない手つきでカードを切り始めた。シャッシャッという小気味いい音が聞こえる。
今度は、浩一が声を上げた。
「はい。試験官からは、何をやらせてもオール満点だったと聞いております。どんな審査をしたかは、この場ではご容赦いただきたいですが、とにかく『特技多数』とだけ申し上げておきます。木庭様にも、きっとご満足いただけるはずです」
特技多数か。この店「カフェ・アレクサンドル」で特技というからには、ただ男の相手ができるなんてレベルじゃない。相当な特技に違いないぞ。
「よし。後で呼んでくれ。こちらも気が滅入っていたところだ。気分転換にちょうどいい」
茂たちがオーナーに命じてから、女ディーラーがテーブルにやってくるまで、ものの十分とかからなかった。
「初めまして。星野菜緒美です」
二人に会釈する菜緒美は、近くで見ると少年のような体つきをしていた。すばしっこく、いかにも運動能力に長けていそうだ。
しかし、ミュージカルのオーディションやスポーツインストラクターの採用試験なら楽にパスしそうだが、この体でこの店の、世に名高い「カフェ・アレクサンドル」のオーディションによく通ったものだ。しかも歴代最高得点とは。
菜緒美はテーブルに座ると、客に媚びるような物言いもないまま、新入りとは思えない手つきでカードを切り始めた。シャッシャッという小気味いい音が聞こえる。