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背徳 嫁と舅の淫望
第6章  背徳へ 肉慾の誘い 
 「のんびりくつろぎなさい。彩香にとって久しぶりの自由な時間なんだから・・」
 「じゃ、お言葉に甘えます・・」 

 終ることのない介護の重圧から解放された安堵感。芳雄の不在がもたらす開放感・・。

 あの日の「過ち」はいつの間にか、切ない想い出に変わり、肉欲の誘いが次第に罪の意識を押しのけていく。

 邪らな思いを秘めた空気が居間を満たしていた。

 テーブルをはさんで二人はソファに座り、入れたてのコーヒーに口を付けた。
 彩香が丹念にドリップさせたモカブレンドだった。

 「うん、うまい。これすごくうまいよ」

 哲司は酸味の強いこのコーヒーがなによりの好物だ。

 「よかった、気に入っていただいて」

 にっこりと微笑む彩香。
 哲司はあどけない彩香の笑顔を見ながら、ずるがしこい淫望を巡らせていた。さも善良さを装いながら、彩香の前に餌の付いた釣り糸を投げようとしていたのだ。
 コーヒーを堪能してしばらくの沈黙の後、哲司は残り少なくなったコーヒーカップに目を落として口を開いた。
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