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背徳 嫁と舅の淫望
第2章 背徳への扉
 川縁の道を歩きながら、夫婦の営みについて頭のどこかでボーっと考えていた。
 それは、少なくとも一方的なものであってはならない。
 どちらか一方が与えるものなのだろうか、違う。
 妻は夫の愛撫に身を委ね、何もかも忘れ情交の歓び満たされる。夫もまた絶頂を求め歓びに浸る妻を抱きながら、興奮し欲望を漲らせるのだ。
 息子夫婦の営みは間違っている、あまりにも一方通行だ。
 そんなむごい片務的な営みの中に五年もの間身を置いた彩香・・・・。
 女盛りのその体を。

 もう充分だ。充分過ぎるほど息子に尽くしてくれた。

 そのとき、ふと哲司は、後ろから追いかけてくる足音に気づいた。
 振り返ると、ミニスカートからはみ出した白い足が、闇の中に浮かんで見えた。
 それは、風呂上りに、涼しそうなワンピースを着た彩香だった。
 哲司が立ち止まって待っていると、追いついた彩香はいきなり哲司の腕をつかみ、そのまま歩き出した。

 「気持ちがいいですね、お義父さん」
 「ああ」

 川面を渡る涼風が吹き抜け、彩香の洗い立ての髪から広がったシャンプーの香りが哲司の鼻腔を刺激した。
 人通りも跡絶えた、街灯もない夜の農道の闇の中を、二人は肩を並べてゆっくり歩きはじめた。
 川の両岸に広がる田植えを終えた稲田からはカエルの鳴き声が遠く近く聞こえて耳を覆う。
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