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もうLOVEっ!ハニー!
第11章 写りこんだ隣の姫様

 尚哉が足を組み換えると同時に床が軋む音が妙に心を騒がせる。
 ぎしぎし。
 下腹部が感覚を甦らせて疼く。
 きゅっ、と拳を股に押し付けた。
「返事、考えてくれたってこと?」
 尚哉の言葉に小さく息を呑む。
 先に延ばした決断。
 真っ直ぐな、告白。
「……まだだよな」
 苦笑いを交えて。
 言葉なんて、生まれなければ良かったのに。
 その場に相応しいそれを紡ぐのは、例え母国の言葉であったとしてもこんなにも難しいのだから。
 私は手を伸ばして、尚哉さんの腕を引き寄せていました。
 よろめいた尚哉につられて、ベッドから落ち、頭を軽く打ちながら下敷きになる。
「……っ」
「なっ、頭打ったよな!? 大丈夫か」
 髪の毛がかかった顔は上げないまま、尚哉の首を抱き締める。
 指先をうなじに這わせて。
 蛍光灯の陰の下、鼻の先で息がぶつかる。
 触れそうな私の唇を、目を見開いた尚哉が手で塞いだ。
 お互いに状況を理性で確認する。
 すぐに羞恥が沸き上がってきた。
 尚哉は鼻ごと塞いでしまっていた手を離しながら、身を起こした。
 困惑した目を泳がせて。
 口から何かを紡ごうとパクパクと動かす。
 けれど、脳はまだ正常に動いてはくれなかった。
 先に奇妙な金縛りから解けたのは尚哉だ。
「っ、あ……今、なに……しかけた?」
 息も不自由にそう吐き出す。
 皺の寄った眉間を押さえて。
 震える手で。
「わかってて、やったんだよな」
 昨日とは違う声の動揺。
 そこには怒りも含まれていた。
 まだ何も言えない私の肩に触れようと浮いた手が、指先で宙を掻いて膝に落ち着く。
「なんで」
 俯いた私を責め立てる。
「……なにか、わかると思ったんです」
 掠れた声が空気に頼りなく発せられる。
「俺が、昨日云ったの覚えてない?」
 今度は確かな苛立ちが見てとれた。
 ようやく顔を上げると、とても悲しい目をした尚哉が瞬きせずに此方を向いていた。
「それとも、覚えてて試したとか?」
「違います」
「じゃあなんで夜中にいきなり訪ねてきて、キ、キスしようとした?」
 皆まで言われると、ことの重大さに押し潰されそうになりますね。
 私は膝をついて、上体を起こした。
「反応を見たかったのか?」
 プライドを傷つけられた怒り。
 悪いのはどこから見ても私です。
「……そうだったのかも、しれません」
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