この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
もうLOVEっ!ハニー!
第12章 騎士は王子と紙一重

 夜中の訪問者は大抵礼儀知らずか、非常識な急用を持ち込んでくる輩だと昔から決まっている。
 ルカはインターホンの音を聞いて、ヨガの瞑想から目覚める。
 今日は結構静かなところまで落ちていく心地よさに浸れていたのに。
 扉に近づくと、聞きなれた声が小さく伝わってきた。
「遅くにごめん。相談があるの」
 ルカは一瞬何が起きているか、此処がどこであるかを忘れた。
 それからドアノブを握る。
 重い扉を開いて、来客を招き入れた。
「どうやって入ってきたのですか……アンナ」
「奈巳を呼び出してオートロック開けてもらった」
「どうして私に」
「誰にも知られずルカの部屋に来なきゃと思ったの」
 すたすたとベッドに近づき、アンナは撮影で使った鞄を置いた。
 気に入ったからと撮影後購入したオレンジの。
 それを一瞥し、腕を組んでアンナを見つめた。
「何か困ったことでもあるんですか」
「今すぐルカを抱きたいとかいうんじゃないの」
「ではなんですか」
 決して表面には出さないが、一抹の期待と高揚を逆なでされ、ルカは軽く唇を噛みしめた。
 自分の部屋に自分を性的に見ている人間がいるというだけで、まるで落ち着かない異空間に変じてしまう。
 迷惑極まりない話だ。
「妹のことなんだけど」
「アリスですか」
「気になるの。最近この寮の一年生を追い掛け回してるみたいで」
「松ちゃ……松園かんなですね」
 アンナは無表情で頷いた。
 ドキドキする胸を抑えるように強く腕に力を込める。
 ぷくりとしたアンナの唇は、見るだけで感触を呼び起こす。
「別に彼女一人の問題ならいいの。でも、アリスは彼女の周りまで……なんていえばいいのかな。危ないの。今は多分楽しんでるだけなんだろうけど……エスカレートしてくと思う」
「一体何を心配してるんですか」
 コンコン。
 最悪のタイミングで新たな訪問者。
 ルカは冷たく扉を睨む。
 アンナはそっとベッドの陰に隠れる準備をした。
「どなたですか」
「早乙女つばるです」
「何の用ですか」
「そこにいるもう一人に用があります」
 見られていた。
 ルカがアンナ振り向くと、ふるふると首を振った。
 そっと扉に近づく。
「開けてくれますよね」
 わからない。
 どうして早乙女弟が。
 ルカは疑問を浮かべながら迎え入れる決心をした。
/421ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ