この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
もうLOVEっ!ハニー!
第21章 眩さから逃げ出して
 態度を汲み取ったのか、テレビカバーを外して朝の番組を流してくれた。
「カバーってホコリ避けですか」
「ああ、それもあるけどコイツでかいやろ。今も朝日でちょい見づらいけど、電気の光反射して目障りなんよな。暗くして映画観る時はこのサイズに感謝するけど」
 なるほど。
 昨夜見た時は少しだけゾクッとしました。
 まるで蓋をするようなカバー。
 窓の暗幕も相まって、何もかもを覆い尽くして隠してしまう性格を表してるんじゃないかと。
 朝のバラエティは控えめながらもテンションが高く、BGMにはうってつけでした。
 眠気も覚めたのでなんとか身を起こして、壁に背中を預けて足を伸ばす。
 スペースが空いたので二人肩をくっつけて並ぶ。
 どちらからともなしに手を繋いで。
 穏やかな時間。
「起きたら俺おらんくて焦った?」
「はい、何時かなって。いつも散歩してるんですか」
「んー、せやね。なあんか頭の整理にいいってか、誰もおらん空間歩くんが好きかも。たしか、一年の半ばくらいからかな」
「健康ですね」
「でも不健全やった」
「えっ」
「昨日の、反省会」
 大真面目に言うのでつい笑ってしまった。
 握った手に微かに力がこもる。
「んな笑う? 嫌なことせんかった?」
「いえ、あー、この辺はどうしようかなとは思いますけど」
 空いている左手で首筋をなぞる。
 視線がそこを確認して、ため息が続く。
「三日で消えるとええけど……」
「化粧でどうにかします。あの、嫌なこと、はないです。久しぶりで、嬉しかったです」
 辛い記憶を塗りつぶすほどに濃厚な時間がありがたかったとまでは言えないから。
 岳斗は素直には受け止めきれないように笑ってから、テレビの音量をリモコンで下げた。
「かんなは、俺が先輩やから言えんことあるよな」
 ハッキリと確信を持った声で。
 淡い光が差し込む部屋で、顔を見合わせる。
「首絞めはやりすぎやろ、流石に」
 ああ、きっとそれを反省会してたのでしょう。
 まっすぐな目につい頷いてしまう。
 でも、本気で嫌なだけでは無いから。
 決して痛みを求めるものでなく、全身を貫くほどの想いが込められた行為だから。
 軽々しく批判もできなくて。
「それだけ不安にさせてしまってるのは私なので」
「いいや、それはホンマに不健全」
「だって、好きでやってる訳じゃないですよね」
 的を射ました。
/421ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ