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もうLOVEっ!ハニー!
第5章 悪戯ごっこ
今更姉に彼の所在を知らせたところでなんになるんでしょう。
それにそれは私の新生活の終わりも示す。
それだけは嫌です。
新しい人生を始めたばかりなのに。
邪魔ばかり。
枕に顔を埋める。
泣きませんよ。
大体三年前のあのことは余りに遠い。
時間は残酷です。
あの頃は殺したいくらい憎かったあの人の一言の謝罪でさえ今は心が動くのですから。
許しはしませんけど、それがなんになるんでしょう。
寝返りを打つ。
美弥さんに抱きしめられたい気分です。
「かんなぁああ! ぎゅーっ」
思い立ったらすぐです。
昼食に向かう前に美弥さんに抱きしめてとお願いしてみました。
「愛してるっ。大好きっ。もうかんなのお願いなら百万回でもハグしてあげるっ! もちろんハグだけじゃなくて……かんなの知らないところだって可愛がって」
「廊下で盛ってんじゃねえですよ」
スコンと美弥の頭に手刀が落とされる。
「いだっ」
手の持ち主は陸だった。
隣には薫がいる。
「今回はかんなの公認なんだからにゃっ、邪魔者は去ね!」
「いつもは公認じゃないって認めた……」
「うっさい。乙女の邪魔しか出来ない童貞三陸!」
「童貞じゃねーし」
そういえば元カノさんがいらっしゃるんですよね。
美弥から元気を貰った私は少しだけ落ち着いて食堂に向かっていた。
汐里さんの料理をきちんと食べたらきっと元に戻りますよね。
淡い期待を込めて。
「おお。元気出たかい、かんな嬢ちゃん」
コック姿で汗を流す汐里が出迎える。
「ええ。お蔭さまです」
貸し切りです。
まだ十一時半だから誰も来ていない。
「今のうちに俺の弟子を紹介しておこうか」
「弟子?」
「おい、司! 新入生が来てるぞ」
「うーっす」
厨房の奥から汐里が小さくなったような青年が現れる。
スキンヘッドに濃い眉にぱっちりした目。
そっくりです。
「あ、ども。宇宿司っつう者です」
「馬鹿。挨拶はちゃんとやれ」
それにそれは私の新生活の終わりも示す。
それだけは嫌です。
新しい人生を始めたばかりなのに。
邪魔ばかり。
枕に顔を埋める。
泣きませんよ。
大体三年前のあのことは余りに遠い。
時間は残酷です。
あの頃は殺したいくらい憎かったあの人の一言の謝罪でさえ今は心が動くのですから。
許しはしませんけど、それがなんになるんでしょう。
寝返りを打つ。
美弥さんに抱きしめられたい気分です。
「かんなぁああ! ぎゅーっ」
思い立ったらすぐです。
昼食に向かう前に美弥さんに抱きしめてとお願いしてみました。
「愛してるっ。大好きっ。もうかんなのお願いなら百万回でもハグしてあげるっ! もちろんハグだけじゃなくて……かんなの知らないところだって可愛がって」
「廊下で盛ってんじゃねえですよ」
スコンと美弥の頭に手刀が落とされる。
「いだっ」
手の持ち主は陸だった。
隣には薫がいる。
「今回はかんなの公認なんだからにゃっ、邪魔者は去ね!」
「いつもは公認じゃないって認めた……」
「うっさい。乙女の邪魔しか出来ない童貞三陸!」
「童貞じゃねーし」
そういえば元カノさんがいらっしゃるんですよね。
美弥から元気を貰った私は少しだけ落ち着いて食堂に向かっていた。
汐里さんの料理をきちんと食べたらきっと元に戻りますよね。
淡い期待を込めて。
「おお。元気出たかい、かんな嬢ちゃん」
コック姿で汗を流す汐里が出迎える。
「ええ。お蔭さまです」
貸し切りです。
まだ十一時半だから誰も来ていない。
「今のうちに俺の弟子を紹介しておこうか」
「弟子?」
「おい、司! 新入生が来てるぞ」
「うーっす」
厨房の奥から汐里が小さくなったような青年が現れる。
スキンヘッドに濃い眉にぱっちりした目。
そっくりです。
「あ、ども。宇宿司っつう者です」
「馬鹿。挨拶はちゃんとやれ」