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もうLOVEっ!ハニー!
第5章 悪戯ごっこ
「へへっ。オーナーの弟子です! 僕のことは、んー……司先輩でいっか。よろしく」
すっとカウンター越しに差し出された手を握る。
「よ、よろしくお願いします。このたび入寮した松園かんなです」
「あー! 茜がかんちゃんって言ってた子か。噂通り可愛いね」
さらりと。
この言葉に反応したのがもう一人。
「うーっ! 司、手出すなよっ。かんなはボクのものなんだからね」
「犬かよ。美弥」
「うー! わんわんっ」
歯を剥き出しにしてノリノリで唸る美弥に空気が暖かくなる。
仲好いんですね。
いえ、きっと司さんの純粋な明るさが周りを照らしてくれるのでしょう。
美弥さんの明るさも相まって。
汐里が休憩を出してくれたおかげで生徒五人で和やかに食事をした。
薫は陸のおかげで大分慣れたようで、今朝の涙も嘘のように笑って話した。
夕方になってまたチャイムが鳴る。
出てみると錦岳斗が立っていた。
「よっす」
「こ、こんばんは」
また、あとで。
あの言葉通り現れた長身の先輩に些か怯む。
「お邪魔するのは流石にアレやんな」
「廊下で立ち話もアレですよ……」
「ぶはっ。意外に返し上手いやん。でもしたら俺入ってまうよ?」
「いいですよ」
私はきりっと言った。
勿論これには理由がある。
あのつばるの一件があるので、男性と一対一になるのは自分でも気をつけようと決めていました。
でも、さっきこばるさんとメールをしていて、岳斗先輩は信じられるといわれたのです。
私はこばるさんを信じてます。
「わあ、女の子って感じの部屋やな」
「まだ何もないですけど……」
「百合が満開や」
部屋の隅においてあった花瓶。
もう咲いていたんですね。
気づかなかった自分を恥じる。
「お花好きなんですか」
「百合と薔薇くらいしかわからんけどね。あと桜とカーネーションか」
「岳斗先輩って」
「ガクでええ」
「ガク先輩って紳士って感じですね」
「え? ちょ、やめえや……真逆やから」
ばつが悪そうに否定する岳斗。
それだけはないというように。
こばるさんが慕うというのだから、もっとヤンキー系かと思っていましたが、そうではないみたいですね。
すっとカウンター越しに差し出された手を握る。
「よ、よろしくお願いします。このたび入寮した松園かんなです」
「あー! 茜がかんちゃんって言ってた子か。噂通り可愛いね」
さらりと。
この言葉に反応したのがもう一人。
「うーっ! 司、手出すなよっ。かんなはボクのものなんだからね」
「犬かよ。美弥」
「うー! わんわんっ」
歯を剥き出しにしてノリノリで唸る美弥に空気が暖かくなる。
仲好いんですね。
いえ、きっと司さんの純粋な明るさが周りを照らしてくれるのでしょう。
美弥さんの明るさも相まって。
汐里が休憩を出してくれたおかげで生徒五人で和やかに食事をした。
薫は陸のおかげで大分慣れたようで、今朝の涙も嘘のように笑って話した。
夕方になってまたチャイムが鳴る。
出てみると錦岳斗が立っていた。
「よっす」
「こ、こんばんは」
また、あとで。
あの言葉通り現れた長身の先輩に些か怯む。
「お邪魔するのは流石にアレやんな」
「廊下で立ち話もアレですよ……」
「ぶはっ。意外に返し上手いやん。でもしたら俺入ってまうよ?」
「いいですよ」
私はきりっと言った。
勿論これには理由がある。
あのつばるの一件があるので、男性と一対一になるのは自分でも気をつけようと決めていました。
でも、さっきこばるさんとメールをしていて、岳斗先輩は信じられるといわれたのです。
私はこばるさんを信じてます。
「わあ、女の子って感じの部屋やな」
「まだ何もないですけど……」
「百合が満開や」
部屋の隅においてあった花瓶。
もう咲いていたんですね。
気づかなかった自分を恥じる。
「お花好きなんですか」
「百合と薔薇くらいしかわからんけどね。あと桜とカーネーションか」
「岳斗先輩って」
「ガクでええ」
「ガク先輩って紳士って感じですね」
「え? ちょ、やめえや……真逆やから」
ばつが悪そうに否定する岳斗。
それだけはないというように。
こばるさんが慕うというのだから、もっとヤンキー系かと思っていましたが、そうではないみたいですね。