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もうLOVEっ!ハニー!
第6章 思惑先回り
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カチン。
無理に使ったせいで血が滴るそれの先を岳斗が舐める。
赤い舌に更に紅が塗られる。
ピチャリ。
つばるは瞳孔を開いたままそれを眺めていた。
元々ピアスが付いていた耳。
そこを避けて耳朶でなく軟骨の部分を開けられた激痛に脳まで痛みが沁みる。
「……ほんっと、狂った奴しかいねえんすね。華海都寮ってのは」
「お前もやろ?」
笑いながら。
さも可笑しそうに。
なにを当たり前のことをと。
つばるは歯を食いしばって身を起こした。
踵を返して寮に向かう。
「もう用は済みましたよね」
「おう。あとはかんなや」
足が止まる。
「ちなみにセンパイ。かんなは処女じゃなかったっすよ」
振り向きざまに不敵に笑ってそう告げると、つばるは再び歩き出した。
こばるにそっくりの背中を見ながら岳斗は呟いた。
「クソガキ」
それはただの罵倒ではなく。
可愛い弟に云うそれのように。
コンコン。
夜になって玄関をノックする音にむくりと起き上がる。
大分気分はよくなりました。
美弥さんには感謝してもしきれませんね。
裸足でスリッパを履き、魚目レンズを覗く。
そのまま私は扉に寄り添うように腰が抜けてしまいました。
「おい。いるんだろ、開けろ」
なんで。
すぐに思い出させますね。
この外道。
ガチャン。
チェーンをしたまま扉を押し開ける。
つばるの鋭い眼が隙間から私を捕らえる。
「なんですか」
「開けろ」
「やです」
「へえ? 岳斗センパイからもらった命令権無駄にしたいわけ?」
この野郎です。
なんで上からなんですかいつでも。
むかつくです。
本当に。
カチャン。
扉に手をかけたつばるが中に入る。
私は反射的に距離をとった。
大丈夫です。
お風呂は随分前に済ませましたし、ジャージ姿ですし。
「一つ」
「え?」
「早く云えよ」
あれ?
なんだか変ですね。
なにかあったんですか。
そんな、不安げに。
ああ。
わかりました。
まだこの男、一度も私に近づいてこない。
無理に使ったせいで血が滴るそれの先を岳斗が舐める。
赤い舌に更に紅が塗られる。
ピチャリ。
つばるは瞳孔を開いたままそれを眺めていた。
元々ピアスが付いていた耳。
そこを避けて耳朶でなく軟骨の部分を開けられた激痛に脳まで痛みが沁みる。
「……ほんっと、狂った奴しかいねえんすね。華海都寮ってのは」
「お前もやろ?」
笑いながら。
さも可笑しそうに。
なにを当たり前のことをと。
つばるは歯を食いしばって身を起こした。
踵を返して寮に向かう。
「もう用は済みましたよね」
「おう。あとはかんなや」
足が止まる。
「ちなみにセンパイ。かんなは処女じゃなかったっすよ」
振り向きざまに不敵に笑ってそう告げると、つばるは再び歩き出した。
こばるにそっくりの背中を見ながら岳斗は呟いた。
「クソガキ」
それはただの罵倒ではなく。
可愛い弟に云うそれのように。
コンコン。
夜になって玄関をノックする音にむくりと起き上がる。
大分気分はよくなりました。
美弥さんには感謝してもしきれませんね。
裸足でスリッパを履き、魚目レンズを覗く。
そのまま私は扉に寄り添うように腰が抜けてしまいました。
「おい。いるんだろ、開けろ」
なんで。
すぐに思い出させますね。
この外道。
ガチャン。
チェーンをしたまま扉を押し開ける。
つばるの鋭い眼が隙間から私を捕らえる。
「なんですか」
「開けろ」
「やです」
「へえ? 岳斗センパイからもらった命令権無駄にしたいわけ?」
この野郎です。
なんで上からなんですかいつでも。
むかつくです。
本当に。
カチャン。
扉に手をかけたつばるが中に入る。
私は反射的に距離をとった。
大丈夫です。
お風呂は随分前に済ませましたし、ジャージ姿ですし。
「一つ」
「え?」
「早く云えよ」
あれ?
なんだか変ですね。
なにかあったんですか。
そんな、不安げに。
ああ。
わかりました。
まだこの男、一度も私に近づいてこない。
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