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わたしの心が消えるとき
第5章 それぞれの夜
渚は、深い海の底にいた。

暖かい澄んだ水が、少女を包む。
太陽の光も、ここまでは届かない。
海底から洩れる微かな光が、何も身につけていない白い体を照らす。

無重力のような水の中を、ふわふわ漂う。

すごく気持ちいい…

色鮮やかな魚と鳥が、横を通り過ぎた。

きれい…

魚達を追って泳ぐ。

大きなナマズのような魚が、ゆっくり近づいてくる。渚は背中に乗って、魚を抱きしめた。
軟らかく、すべすべした感触が、素肌に心地好い。

ふと上をみると、誰かが見下ろしている。
ふたりの少女…真由とほのかだ。

あんた達、いたの?
ねえ、こっちにおいでよ。
一緒に遊ぼう。

しかし、ふたりは動かない。
観察するように、じっと渚を見つめている。

変なの…
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