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わたしの心が消えるとき
第5章 それぞれの夜
「あらら、寝ちゃったよ」
「バカ、気絶したんだよ」
大男が金髪ピアスに
「そういえばヤス、お前こいつに一度も手つけてないな」
「ラスボスは最後に出るんだよ。次のお楽しみだ」
それだけ言うと、ヤスは、真由の身体の汚れを拭き取りはじめた。

「さて、帰るか」
「こいつ、どうする?」
「俺が連れてきたからな。送っていくよ」
ヤスは、真由を抱えあげて、昇りはじめた朝日を眩しそうに見つめた。

誰かが、胸を触ってる…
渚は眼を覚ました。

何だか汚い男が、彼女の胸をまさぐっていた。
ホームレスだ。
目が合うと、男は怯えた小動物のように、慌てて去って行った。
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