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わたしの心が消えるとき
第5章 それぞれの夜
繁華街にあるゲームセンター。
店内の一角にあるソファーで、篠崎莉奈は上機嫌だった。

テーブルの上には、何本もの缶ビール。ほとんどが空だった。
手にはタバコ。

もちろん、許される事ではない。しかし、誰も注意しない。警察を呼ぶ者もいない。
彼女の父親は町の有力者で、ここは、いくつか経営している店のひとつだ。
ここは莉奈の城だ。

ほとんど寝そべるような格好で、取り巻きの男達に囲まれて、彼女は女王様だった。

「ねぇ、ビール足りないよぉ。早く買ってきてよ」
すっかり酔っ払っている。

そこに、ひとりの男が近付いてきた。
莉奈は
「遅いよ、ヤス」
ヤスは無言で彼女の横に座った。
「何だよヤス、テンション低いなあ」
「……」
「ねえねえ、あいつ、ヤッちゃった?」
「ああ…」
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