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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
ふたりのテーブルに向かって歩いてくる男がいた。
たしかに、ほのかの言う通りだ。アイドルグループの誰かに似ている。

男は
「君達かい?呼んだのは」
渚は頷いた。男は
「なんだ、子供じゃないか。てっきり、俺の客の誰かかと思ったよ」
客…?

真由は
「祥さん…ですよね?」
祥は笑って
「まあね。それは源氏名だけど」
「ゲンジ…?」

渚にはわかった。
「ホストだね?」
「よく知ってるね。これでも店のナンバーワンだよ」

祥はふたりの向かいの席に座った。
ウエイトレスが来ると、アイスココアを注文した。
渚は
「ナンバーワンね…。じゃあ儲かってるんだ。なのにあんな古いアパートにいるの?」
「ああ、あそこには住んでないんだ。女に会ったりする時に使うだけ。ストーカー対策さ」
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