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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
「それ、もっと後にできないの?」
「む、無理だよ…すごい大金だし…ママの言う事は…さ、逆らえない…」

ほのかは泣きじゃくり始めた。
「渚ちゃん…ご、ごめんね…せっかく…わ、私のために、してくれたのに…」
「そっか。彼の事は、そんなに好きじゃないんだ」
「す、好きだよ…大好き…でもママが…ご、ごめんなさい…」

「謝らなくていいよ。あたしも、ただの暇つぶしだし。あの人にメロンソーダおごってもらったしね」
「渚ちゃん…わ、私…」
「気にしないで。彼には、あたしから電話しとくから」

それだけ言うと、渚は、ほのかを残して歩き去った。


渚はもう、この時の事は話したくなかった。
真由に話したら、どんな反応を示すか判りきっていたからだ。

しかし、当然、真由はしつこく尋ねてきた。
それで仕方なく、夕食の席で話してしまった。
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