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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
なんか…つまんない…

渚は、デパートのショーウインドーにもたれていた。
ガラス越しにマネキン人形が、プラスチックの眼で渚の背中を見ている。

土曜の夜。
数人の若い男が楽しそうに騒ぎながら、渚の前を歩いて行った。これから居酒屋にでも繰り出すのだろうか。
一人が通り過ぎざまに、チラッと渚を見て行った。

別に、何も変わらない。真由たちと知り合う以前の状態に戻っただけだ。
この虚脱感も、お馴染みのものだ。

『それでも友達?』

友達って…何…?
あたしは、別に間違ってない。
それで、あの子達がどう思っても、あたしには関係ない…はずだ。
なんか…やな気分…
誰か…セックスしてよ…

「どうした?なんか暗いな」
男が話しかけてきた。
頬の傷痕…見覚えがある。

たしか…隆司とか…
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