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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
凄まじい形相で、こちらを睨んでいる。
普段は念入りに化粧しているのに、顔も髪も全く手入れされていない。
そのせいか、いつもより老けて見えた。

母親は、祥に向かって
「やっぱり!!お前だったか!!よくも娘を…!!」
足を踏み出す。
ほのかが叫んだ。
「来ないで!!」

母親は目を丸くした。
わが子から、こんな大きな声が出たのが信じられない。
ほのかは、祥をかばうように前に出た。
「ママ、違うの!!この人は悪くない!!私がこの人に、お願いしたの!!」
母親は困惑していた。
「ほのか…何言って…」
祥は、どうするべきかわからず、黙っていた。

「私、もう処女じゃない!!ママの言う事なんか聞かない!!もう二度と、あんな事しない!!」
「ほのか…あんた…!!」
次の一言が、母親の逆鱗に触れた。
「ママなんか、大嫌い!!!」

母親はショルダーバッグから包丁を取り出した。
「お前…!!お前なんか娘じゃない!!お前なんか、いらない!!」
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