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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
渚は病室を見回して
「なんか淋しいね。ホスト仲間とか、お客さんとか、お見舞いに来ないの?」
部屋には、他に見舞いの品が見当たらなかった。
祥は
「誰にも言ってないからな。こんな情けない格好、見せられないよ」
話しながら彼はベッド脇の花瓶を見た。
花が何本かあった。

真由が
「じゃあ、その花は?」
「俺が最初に目を覚ました時、置いてあった。看護師が置いた物じゃない。誰だと思う?」

渚は想像していた。
救急車で病院まで付き添った後、昏睡状態の祥の横に、そっと花を置いて立ち去る、ほのかの姿を…

祥は、渚に向かって
「あれから、どうなった?」
「すぐ警察が来て、母親は逮捕されたよ」
「あの子は?」
「東京に親戚がいて、そっちに行くんだ。あした出発だよ」
「東京か…淋しくなるな」

真由は黙ってうつむいた。
渚は
「あたし達、どこにいても友達だから」
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