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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
渚は、自分がどう思われても平気だが、真由に対して申し訳ない気分になって
「ちょっと、お手洗い行ってくる」
「あ…渚…」
「ゆっくりお話しして」

歩き去る背後から、少女の楽しそうな声がした。
「聞いてください先輩、あたしこの前…」

きっと真由は…みんなに好かれる、いい先輩だったんだろうな…

渚の知らない、過去の真由…


渚は、外来の待合室をうろついた。
内科…眼科…どの科もたくさんの患者で混み合っていた。
比較的患者の少ない、耳鼻咽喉科のソファーに座った。

見るともなしに、テレビを見る。
病院のテレビは、なぜかいつもNHKだ。
今も政治関連のニュースが流れている。
渚は、もちろん関心がない。

『与党公民党の代表選で本命と目されていた、徳松大臣が、出馬を辞退しました』
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