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わたしの心が消えるとき
第7章 迷いの海、夏休みの終わり
明弘は緊張した。
最近この近所で強盗事件が起こり、犯人はまだ捕まっていないのだ。

そっと庭に廻った。
音の主は野良猫だった。
彼はホッとして玄関に戻ろうとした。
その時…

家の中から声がした。
娘の声だが…普通の声ではない…
苦しそうな…いや…違う…これは…女のあの時の…

窓は鍵がかかっていなかった。
その向こうは居間だ。
そっと開け…カーテンを少し開く…

真由と貴志がいた。
ふたり共、全裸だ。
四つん這いになった娘。その背中に覆い被さり腰を振る息子…

明弘は…震えた。
目の前の光景を現実とは認めたくなかった。

こんな時、父親として、すべき事は…

《踏み込んで叫ぶ。『お前達!何してる!』そしてふたりに、この行為が、いかに悪い事か説いて聞かせる。》

しかし明弘は黙って家から離れた。
そのまま近所の飲み屋に行った。
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