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わたしの心が消えるとき
第7章 迷いの海、夏休みの終わり
真由は後ずさりした。
「貴志…あんた…おかしいよ…」

貴志はベッドに飛び乗り、真由の脚を押さえ付けようとした。
「バカ!!やめて!!」
「じっとしてないと、ケガするよ」
真由の眼前にハサミを突き出す。
「いやあああ!!!助けて!!お母さあん!!」

「真由!!どうした!!」
父親の声がした。
ドアノブをガチャガチャと動かしている。
「お父さん!!助けて!!貴志が…!」

ドアが蹴破られた。
作業服姿の父が部屋に飛び込んできて、息子達の様子を見て目を丸くした。

「来るな!!」
貴志は父にハサミを向けた。

父は決然と息子に近寄り、殴り倒した。
「馬鹿野郎!!何してる!!」
怒りに身を震わせている。
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