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わたしの心が消えるとき
第7章 迷いの海、夏休みの終わり
真由も貴志も、父のこんな姿は初めて見た。

貴志は頬を押さえ、父を睨みながら
「放っといてくれよ!何だよ!!今まで何もしてくれなかったくせに!!俺は姉ちゃんを愛してるんだ!!」
「ふざけるな!!お前のは愛じゃない!!愛は守るものだ!!傷つける事じゃない!!」

貴志は父の剣幕に押され、たじろいだ。
父は膝を抱えて震えている真由に、優しく布団をかけた。
「真由、大丈夫か?」

真由は涙でグシャグシャになった顔で、父を見上げた。
「お父さん…」
父は息子を睨みつけて
「出ていけ」

貴志はハサミを落し、部屋から出ていった。

真由は泣きながら
「お父さん…ごめんね…ボク…」
「お前と貴志の事は、前から知っていた」
「えっ…?」
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