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わたしの心が消えるとき
第7章 迷いの海、夏休みの終わり
向かいのふたりが驚いて渚を見た。

「ふたり共、やっぱり男だよね。堕ろせとか簡単に言えるなんて」
渚は、顔を上げず泣いている真由を見ながら
「真由がここまで決めるのに、どれだけひとりで苦しんだかわかる?真由の気持ち考えた事ある?」

父親は、しどろもどろに
「こ…これは家族の…問題だ…」

「真由はね、あたしに真っ先に相談してきたよ。親も弟も頼りないから!」
渚は立ち上がって真由の手を引いた。
「真由、行こう!こんな人達ほっといて赤ちゃん産むんだ!あたしも手伝うから!一緒に育てよう!」
「でも…ボク…」
ためらう真由を強引に立たせた。
部屋から連れ出す。

泣きじゃくる真由に優しく
「あの人達、少し頭冷やした方がいいよ。あたしの家においで。ねっ」
真由は頷いた。

ふたりは家を出た。
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