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わたしの心が消えるとき
第7章 迷いの海、夏休みの終わり
「貴志…淋しいだろうな…」
「それから…工場は閉める事にした」
「お父さん…!」
「借金の清算と社員の保障で、工場も家も手放す事になる。父さんも一から出直しだ。これからますます大変になる」

真由は気付いた。
貴志を外国に行かせたのは、これからの苦労を回避させるためでもある。
父親なりの愛情だろう。

「真由…本当にすまない…こんな父さんだが、そばにいて欲しい。お前だけが父さんの支えだ。お前のために、出来るだけの事はする…一緒に真由の子供を育てよう!」
「お父さん…」

父は渚に向かって
「渚さん…だったね?これからも真由と仲良くしてやってください」
頭を下げた。
渚はどう答えたら良いかわからず、黙って頷いた。

真由は笑いながら
「お父さん急にそんな事言うから、渚、困ってるよ」
父は頭を掻きながら
「そ、そうかな…?」
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