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わたしの心が消えるとき
第8章 最後の野獣
怪物は真由を放り出すと、ほのかの首に手をかけた。
細い首をジワジワと締め付ける。
もがき苦しんでも、手を緩めない。

真由は激痛に耐えながら、落ちたフライパンを左手で拾って、怪物を何度も殴りつける。
「離せ!!このぉ!!」

怪物はひるまない。
ほのかの息が細くなり、体が弛緩してくる。

その時、いきなり怪物は、ほのかを放した。
胸に手を当てて、苦しみだす。

ほのかは床に座り込んで、激しく咳込んでいた。

怪物は、その場に崩れ落ち、のたうちまわる。
胸の痛みが、さらに増したようだ。

真由はその場に固まって、その様子を見ている。

怪物は苦しみながらも、渚の方に這っていこうとする。
「わ…わた…しの…む…」
その口から、血が噴き出す。
そして老人は動かなくなった。

ほのかは震えていた。
「死んだの?…ねえ…殺しちゃったの!?」
「わかんない…」
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