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わたしの心が消えるとき
第8章 最後の野獣
ほのかは勇気を奮い起こし、老人に近づいた。
手首を触ると
「…死んでる…」
「でも…こいつボク達を殺そうとしたんだよ…」
「うん…でも…」
「それに…何か変だ…。こいつ胸を押さえて苦しんでたよ。何かの病気じゃないか?」
「そ、そうだよね!きっと…」

その時、真由はいきなり口を押さえ、流し台に走って行くと嘔吐した。

ほのかが走り寄り
「大丈夫!?」
「平気…ただの、つわりだよ。最近落ち着いてたのに…興奮したせいかな…」
真由はほのかを安心させるように微笑んだ。

ほのかは改めて思った。

そうだ、真由ちゃんは妊婦なんだ…
なのにあんなに頑張って…
私がもっと、しっかりしないと…!

真由は口を拭いながら
「とにかく、こいつの事はもう忘れようよ。ボク達は渚を守ったんだ!」
痛む腕を押さえながら、渚を見た。
あれほどの騒ぎがあったのに、まだ眠っている。
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