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わたしの心が消えるとき
第8章 最後の野獣
「もう起きてもいいんだよ、渚ちゃん…」
ほのかは、慈愛に満ちた声で話し続ける。
「覚えてる?私が渚ちゃんの家に行った時の事…。渚ちゃん、私にお化粧してくれたよね。すごく嬉しかった…」

その話しは、真由も以前、聞いていた。

「私ね、自分の子供っぽい顔や体が嫌いで…早く大人になりたいって、いつも思ってたの。渚ちゃんは、夢を叶えてくれた…魔法使いみたいだったよ」

真由は、目頭が熱くなるのを感じた。

「渚ちゃん!!起きてよ!あの時みたいに笑ってよ!また一緒にお風呂入ろうよ!ねえ!!」
ほのかは、動かない渚の頭を抱きかかえていた。

真由は起き上がり、ほのかの肩に手を置いた。
「ほのか…」

その時、廊下の方から音が聞こえた。

真由は緊張で硬直する。
ほのかは素早く渚を抱き起こした。
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