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わたしの心が消えるとき
第8章 最後の野獣
暗くて顔はよくわからない。
しかし真由は直感的に思った。

こいつは敵だ!
「この野郎!!入って来るなあ!!」

精一杯、拳を握って男の胸を殴り続ける。
稚拙な攻撃だが、男は反撃してこない。
ドアを開けたら、いきなり下着姿の少女が殴りかかってきたので、困惑しているようだ。

真由はさらに、男の脛を思いきり蹴った。
これは効いたようだ。男はその場にしゃがみ込む。

さらに真由が攻撃しようとすると、男は初めて口を開いた。
「待て!やめろ!俺は味方だ!!助けに来たんだ!」


男は隆司と名乗った。
顔に大きな傷痕があるが、悪い男ではないようだ。

隆司は昏睡状態の渚を見て
「普通に眠ってるだけじゃなさそうだな。…まず、ここから出よう。話しはそれからだ」

渚を抱きかかえて廊下に出た。
あの鉄の扉はすでに開いている。

老人の遺体をどうするか、少し迷ったが、そのまま放置した。
自業自得である。

そこからさらに長い階段を登って外に出た
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