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わたしの心が消えるとき
第8章 最後の野獣
ふたりは、黙ってうつむいていた。
「ねえ…何があったの?」
真由が小さな声で
「それは…言えません…」

香澄は、ため息をついて病室を出て行った。


出された食事にも手を付けず、真由とほのかは待ち続けた。
しかし、疲れが限界に達して、いつしか座ったまま眠り込んでしまった。


先に目を覚ましたのは、ほのかだった。
その目に映ったのは…

ベッドの上で、半身を起こしている渚の姿…

「渚ちゃん!!」
ほのかの叫び声で、真由も目覚めた。

渚は、ゆっくりとふたりを見た。
その目はうつろで、生気が感じられない。

真由は胸騒ぎを覚えた。

あの時と同じ顔…

「渚!!ボクがわかる!?真由だよ!!」
「私、ほのか!!渚ちゃん、しっかりして!!」

渚は、ぼんやりした声で
「まゆ…?…ほのか…?…」
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