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わたしの心が消えるとき
第9章 闇の向こう
「ねえ、さっきの事だけど」
真由は下着を身に着けながら、隆司に話しかけた。
「ん?」
「やっぱり何か考えてたよね?私以外の事」
「何言ってるんだ?そんな訳ないだろ?」

そういえば真由が自分の事を『ボク』と言わなくなったのは、いつからだろう…子供産む少し前からかな…
そんな事を隆司がぼんやりと考えてると、真由が畳み掛けた。

「嘘つかないで。あの時にちょっとでも気が逸れたら、すぐわかるんだから」
「そうか、ごめん…昔の事、思い出してた」
「昔の?」
「俺達がまだ結婚式していない理由だよ」

真由は顔を伏せた。
「それは私の方がもっと気にしてるよ。隆司よりもね」
「そうだよな…ごめん…」
「いいよ。もう寝よう」


翌日は日曜だった。

昼食の片付けを済ませた真由は、ソファーに座ってテレビを点けた。
もうすぐあの番組が始まる。
隆司は出かけていた。
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