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わたしの心が消えるとき
第9章 闇の向こう
「お母さん、コーヒーだよ」
娘の愛莉が来て、真由の前にカップを置いた。
真由は娘に微笑んで
「ありがとう」
軽やかな音楽が流れ、テレビの画面では初老の上品そうな女性タレントがにこやかに挨拶していた。
「みなさんこんにちは。『晴子の午後』の時間です。今日のゲストは、作家の倉橋ほのかさんです」
拍手の中、ひとりの女性がスタジオに入ってきた。
西村ほのかは、親戚夫婦の正式な養子となり、倉橋ほのかになった。
かつては長かった髪を、ミディアムショートに切り揃え、控え目なメイクと質素ながら上品な服装が、知性を感じさせる。
中学時代は小学生のような幼い容姿だったが、今では清楚で落ち着いた雰囲気と華やかさを兼ね備えた、魅力溢れる女性だ。
愛莉がうっとりして思わず
「きれい…」
真由も同意見だ。
ほのか…本当に綺麗になったな…
あの頃は、いつも周囲におびえて、何事にも自信が持てず、泥の中を歩いているような足取りだった。
今は、自分をしっかり持って、人生の目標を明確に見据えて、しっかり立っている。世の女性達の憧れの的だ。
娘の愛莉が来て、真由の前にカップを置いた。
真由は娘に微笑んで
「ありがとう」
軽やかな音楽が流れ、テレビの画面では初老の上品そうな女性タレントがにこやかに挨拶していた。
「みなさんこんにちは。『晴子の午後』の時間です。今日のゲストは、作家の倉橋ほのかさんです」
拍手の中、ひとりの女性がスタジオに入ってきた。
西村ほのかは、親戚夫婦の正式な養子となり、倉橋ほのかになった。
かつては長かった髪を、ミディアムショートに切り揃え、控え目なメイクと質素ながら上品な服装が、知性を感じさせる。
中学時代は小学生のような幼い容姿だったが、今では清楚で落ち着いた雰囲気と華やかさを兼ね備えた、魅力溢れる女性だ。
愛莉がうっとりして思わず
「きれい…」
真由も同意見だ。
ほのか…本当に綺麗になったな…
あの頃は、いつも周囲におびえて、何事にも自信が持てず、泥の中を歩いているような足取りだった。
今は、自分をしっかり持って、人生の目標を明確に見据えて、しっかり立っている。世の女性達の憧れの的だ。