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わたしの心が消えるとき
第4章 捨てられた制服
時刻はすでに真夜中近かったが、週末の繁華街は遅くまで賑わっていた。

佐野祐介は、歩道橋の上に立っていた。
眼下には、沢山の車が行き交っている。

ここから落ちたら…簡単に死ねるかな…
痛みは、たぶん一瞬だ…
すぐに無になる…

そんな事を思った。
死にたいと強く思っている訳ではない。ただ、生きる気力もない。

彼は27歳、まだ独り身だ。
世間一般では、まだ若いから…と言われるような歳だが、祐介は、そうは思わない。
彼の中では、すでに人生は終わっていた。

彼の後ろを一組のカップルが、楽しそうに話しながら通り過ぎる。祐介には注意を払わない。

僕は孤独だ…
生きていても、楽しい事なんて何もない…

一応、仕事はしているが、休みがちだ。
たいした理由はない。
ただ、何となく仕事に行くのが嫌になるのだ。
そうやって休んでしまうと、自己嫌悪に陥り、ますます落ち込む。
泥沼だ…

体を前に傾ける。
もう少しで落ちそうだ…

その時…
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