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わたしの心が消えるとき
第4章 捨てられた制服
教室をいくつか覗いてみたが、やっぱり、ふたり共見当たらない。

トイレの前を通りかかると、クラスメートが何人か、入口の前にいた。
渚を見ると、囁くように
「清川さん…こっち来ない方がいいよ…」
「トイレ、今使えないから…」
渚は
「何で?まだ掃除してるの?」

すると、ひとりの生徒が入口から顔を出した。
伊藤亜希だ。
渚を見ると
「掃除中だよ。汚いモノ、洗ってるんだ」
中からは水音と、何人かの笑い声…

渚は生徒を押しのけて、トイレに入った。

そこには、四人の生徒。
ひとりが水道のホースを上に向けて、放水している。
水は弧を描き、個室のひとつに、上から注ぎ込まれている。
残りの生徒が、そのドアを押さえていた。

かすかに聞こえる泣き声…
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